日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年3月26日言いたいことは事前に短い文章にまとめよう!

 

★言いたいことを短い文章にする


前回は、『「言いたい事が伝わらない・・・」その対策は?』というタイトルの記事を書きました。その中で、次のような一文を載せています。
『話す際に大切なことがあります。それは『言いたいこと』としてまとめた「A社から製品Bを1万個受注できそうです」ということを真っ先に上司に言うということです』
改めて読んでみると、この部分について説明が十分ではないように思いました。

前回は、言いたいことが伝わる話し方をするために、次のことをした方が良いと書きました。
・言いたいことを短い文章で具体的にまとめる
・話す内容の要点を個条書きにして整理する
・話す際は、短い文章にした『言いたいこと』を最初に話す
なぜ言いたいことを短い文章にするのか、また、なぜそれを最初に言うべきなのか。今回はこのことについてお話します。



★なぜ短い文章にすべきなのか?


『言いたいこと』を短い文章にするというと、「生産性の向上について」や「F社訪問の報告」というように、単語を並べたタイトルのようなものを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、これでは何が言いたいのか全くわかりません。私がここでいう短い文章とは、主語と述語でできた20文字程度の短い文章です。
朝礼などのスピーチであればこのようなものです。
「今後は既存先の営業に力を入れるべきだ」
「ネガティブな発言はやめよう」
また、上司に報告する場合はこのようなものになります。
「F社からの受注は当面望めません」
「50件訪問して5件良い感触でした」

では、なぜ短い文章にすべきなのでしょうか。それは、人は話を聞くと、その話を短い文章にして理解し、記憶するからです。
例えば、日常でもビジネスでも、あなたが話をしていると、
「ああ、つまり、今度の同窓会で私に幹事をして欲しい、ということね」
「あなたが言いたいのは、今のやり方では成果は出ない、ということかな」
といったことを言われたことがあると思います。これは、人が話を短い文章で理解し、記憶しようとすることのわかりやすい例です。人の記憶容量は限られていますので、長い文章は理解しにくいし覚えられません。「あの人の話を最後まで聞いたけど、結局何が言いたかったのかわからなかった・・・」という経験は誰にでもあると思います。その原因は、聞きながらその話の要点を短い文章にまとめられなかったことにあるのです。

★なぜ短い文章にした言いたいことを最初に言うべきなのか?


しかし、話を聞いている人に要点を短い文章にして理解してもらうような話し方はいかにも不誠実です。聞き手に、その分、余計な負担をかけているからです。長い文章を解釈しながら言いたいことをつかむのはかなりの能力を使う作業です。それを聞き手に強いるような話は、わかりにくいと評価されても仕方ありません。従って、話す側が事前に用意した言いたいことを最初に話せば聞き手の負担はかなり減ります。どういう話をするのか、話の方向性がわかっているので安心して聴けますし、話のイメージがつかめているので多少おぼつかない話し方をしたとしても趣旨は理解してもらえます。

ところで、言いたいことを最初に言えばそれでいいのかというと、もちろんそんなことはありません。言いたいことを理解してもらうのに必要な理由や背景、事情などはきちんと話さなければなりません。人は、話を聞いているときは頭の中にイメージを描きながら聞いています。そのイメージが描けてはじめて話が理解できます。なので、具体的なイメージを描くために必要な要素を話すことはとても重要です。短い文章にした言いたいことだけを言っただけでは不十分なので、具体的なことをきちんと話すことにも留意してください。

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